プロパンガスと都市ガスの違い⁈

エネルギー

プロパンガス(LPガス)と都市ガスの違いは何なのか?

実は業界に携わるまで、家庭用のガスがプロパンガスと都市ガスの2種類存在する事すら知りませんでした。

皆さまの中にも、ガスはガスでしょ!くらいの認識で、種類がある事を知らない人も居るかと思いますので、なるべく簡潔に分かりやすく解説します。

1.プロパンガスと都市ガスの違い

2.なぜ、プロパンガスの方が高い場合が多い?

3.火力はどっちが強い?

4.プロパンガス、都市ガスを選ぶそれぞれのメリット

1.プロパンガスと都市ガスの違い

そもそもウチの家は都市ガスかプロパンか分からないんだけど??

それでは自宅のガスが都市ガスかプロパンか簡単な見分け方をご紹介!

ガス漏れ警報器が、床の近く:プロパン 天井近く:都市ガス

これは、後述しますが、ガス自体が空気より軽いか重いかの違いとなります!

⇒ガスボンベが設置されている:プロパンガス

ただし、アパートやマンション等ではボンベ庫と言われる格納庫に隠されている場合もあります。

又、団地では一箇所に設置して、配管でガスを送る”集中プロパン(簡易ガス団地)”も存在します。

よって、上記2つの組み合わせから判断しましょう。

他にも見分け方が有りますが、分かりやすい方法のみのご紹介としておきます。

●プロパンガス

発熱量 24000Kcal

重さ  空気より重い(ガス漏れ警報器が床の近く)

供給方法 いわゆるガスボンベに充填して各家庭に配達設置

対応エリア 制限なし(保安距離でのルールは有り)

設置スペース ボンベを2本~4本程度立てるスペースが必要

料金設定 各LPガス会社の自由(☠家ごとに異なる場合も☠)

会社規模 全国展開の大手~家族経営の小規模まで様々

●都市ガス

発熱量 11000Kcal

重さ  空気より軽い(ガス漏れ警報器が天井の近く)

供給方法 地面に埋設されたガス導管で各家庭へ

対応エリア 主に都心部(ガス導管を埋設している範囲)

設置スペース メーターの設置のみで省スペース

料金設定 総括原価方式による計算と届け出が必要(料金プランが明確)

会社規模 都市部の大手~地方の小規模まで様々(家族経営ほどの小規模は無い)

2.なぜ、プロパンガスの方が高い場合が多い?

プロパンガスは高い!って聞くけど、どうしてなの?

主には、下記の理由が有りますね!

●ボンベへの充填作業とトラックでの配送作業が有る
プロパンガスは「充填所」と言われる場所で、ガスボンベのガス充填が行われています。
ガス充填と共に、ボンベ自体の定期的な点検作業もここで実施されます。
これは中~大規模業者が設備を完備しており、専用の場所、設備があり、有資格者による作業となります。よって、コストが発生します。
因みに小規模業者は作業を委託しています。
合わせて、各ご家庭への定期的な配達があります!
たいていは、2本~4本設置していますが、なぜ複数本なのでしょうか?
⇒自動切換え装置によって、1本空になったら、もう1本に切り替えされてるからです!
●料金設定が自由だから!
プロパンガスは昔から自由料金制です。現在も自由設定なんですね。
更に15年くらい前、ALL電化という選択肢が普及し始めるまでは殿様商売だったんですよ💦
しかも、料金表示や通達の義務すら無い!!!(現在は表示義務有りますが、罰則無し)
料金のお知らせや、請求書にガス料金の契約単価を表示している会社はまだ、良心的ですね。
3.火力はどっちが強い?

プロパンガスと都市ガスは、どっちが火力が強いの?

家庭用コンロでの火力は、ほぼ同じ!なんですよ。

でもネットで検索すると、プロパンが強いとか都市ガスか強いとかいろんな意見があったのよ~

なぜ、いろんな意見が混在しているのか解説します!

 

●同じ体積あたりの熱量はプロパンが大きい

先にも解説した通り、ガス自体の同じ体積での発熱量が異なります。

ガスの体積1㎥(リューベ)あたりの熱量は

プロパンガス 24,000キロカロリー

都市ガス   11,000キロカロリー

それなら、プロパンが強いんじゃないの?

ガスコンロや、給湯器の機械内部で、火力が同じくらいになるよう、調整しているんです!

ガスそれぞれの発熱量の違いから、プロパンが火力が強い⁈と誤認される事があります。

1㎥あたりのガス自体の発熱量はプロパンが強い。コンロや給湯器の末端として出てくる能力は同等程度に機器で調整されている!が正しい答えです。

●炎の見た目の違い
もう一つ、誤解を招く違いが有ります!
コンロの炎の見た目を比較してみると…
⇒都市ガスの方が炎が大きく見えます。(正確には、炎が長い)
これはガスの特性の違いによるもので、炎が長い≠火力が強い
なので、都市ガスの方が火力が強い!と主張される方々の元となっています。
<結論>
家庭用のガスコンロ等での火力は都市ガス、プロパンはほぼ同じ!
4.プロパンガス、都市ガスそれぞれのメリット
プロパンガスと都市ガス、どちらが良いのか。それぞれのメリットとデメリットが有ります。
●都市ガスのメリット
・一般的に都市ガスの方が料金が安い(場合が多い)
・ガス会社のHP等でガス料金が明確に表示されている
・ボンベ容器を設置するスペースが不要(メーターのみでOK)
 ⇒敷地内にガス会社の人がボンベ交換等で入ってくることが無い。
●プロパンガスのメリット
・初期費用が安い(場合が多い)
 ⇒宅内のガス配管費用をガス会社が負担してくれる事が多い
・災害に強い
 ⇒災害時の復旧までの時間が都市ガスや電気に比べて早い
・ガス会社との相性が悪ければ、選択肢がたくさん有る
・都市部以外でも対応可能
<結論>
メリット、デメリットを理解して判断しましょう!
それでも迷ってしまう人たちの為に、具体的な(個人的)最適解を表現すると
⇒①都市ガス供給エリアなら都市ガスを選択
 ②プロパンの場合には、ガス会社選びを慎重に(特に料金)
プロパンガスを選択の場合、妥当な料金を解説していますので、参考に!

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