エコジョーズって、本当にお得?家計にプラス?ガス給湯器の真実

エネルギー

ガス給湯器の”エコジョーズ”って、本当にエコなのか⁈

ガス給湯器には、”エコジョーズ”というものが有ります。

現在、大きく分けると”従来型給湯器””エコジョーズ”に分けられます。

”エコ”って名称についているが、「実際にお得なのか」を解説。

エコって名称でも、自分にとって”お得かどうか”を知りたい。

お得になるかどうかは、ケースバイケースです!

結論として、「お得かどうかは、状況による」

どんな製品なのか、どういった状況なら”お得”なのか。

エネルギー専門家目線で、忖度無しで解説していきます!

①そもそも、エコジョーズって何?
②家計に対して、どのくらいお得になる?
③エコジョーズのメリットとデメリット
④どんな状況なら、お得でメリットが有るのか?
2002年10月から、業界統一のネーミングで「エコジョーズ」の販売を開始。
約20年の歴史がある機器。
まだまだ一般ユーザーには、知らない人も多いのでは。

そもそも、エコジョーズって何?

「エコジョーズ」とは、少ないガス量で、効率よくお湯を沸かす省エネ性の高い給湯器。
今までは使わずに捨てられていた排気熱を再利用して、効率をUP。
正式名称は「潜熱回収型ガス給湯器」
都市ガス用とプロパンガス用の両方有るので、選択購入すれば、どちらのご家庭でも使用可能。

一体、どんな仕組みで効率UPしているの?

シンプルながらも、考えられた構造です!

 (画像:リンナイHPより)
従来の給湯器は、燃焼後の排気熱が約200℃の高温で捨てられていた。
その熱が勿体ない!再利用しよう!という発想で生まれた給湯器。
流れとしては、以下となります。
1.水が給湯器本体に入る。
2.排気熱を水に当てる事により、予備過熱。(ぬるま湯になる)
3.バーナーで本過熱をして、お湯を作り出す。
上記、2.の予備過熱が、従来給湯器には無かった工程。

良さそうなのは分かるけど、実際に数値としてどのくらい影響あるの?

どのくらい良いのか、次の3点に絞って、解説します!

1.熱効率アップ

従来給湯器 約80% ⇒ エコジョーズ 約95%
 (画像:日本ガス協会より)
今まで捨てられていた、排気熱を再利用。
熱効率がアップしたことにより、少ないガス量で、同じ量のお湯が作れます。

2.節約につながる
ガス消費量 約15%カット
 (画像:日本ガス協会より)
ガス消費量カット ⇒ ガス代節約になる!
例)1か月のガス代が5000円必要な場合は⇒4250円に!
(※給湯器部分のガス代として計算)
ここが、一般消費者にとっては一番重要!
3.環境に良い
CO2排出量 約15%削減
 (画像:日本ガス協会より)
地球温暖化の一因となるCO2排出量を、大幅に削減。
地球環境に配慮された、ガス給湯器。
分かりやすく詳細説明されたリンク

家計に対して、どのくらいお得になる?

エコジョーズを選択した場合、どれだけ”お得”になるのか。
一般消費者にとっては、最優先の関心事になる場合が多いと思います。

いくら良い給湯器でも、トータルお得にならないと…

まずは、ガス料金への影響として、どのくらい”お得”か検証!

以下、ガス機器メーカーのリンナイの公式HPより抜粋

●年間給湯負荷18.3GJ(給湯16.6GJ、おいだき1.7GJ)平成28年省エネルギー基準に準拠した
「エネルギー消費性能計算プログラム(住宅版)Ver.2.3.1」による

●ガス料金/LPガス:5.1円/MJ(日本ガス石油機器工業会が定めるガス料金の目安より)
石油情報センター平成27年度月次平均価格(50m3)データの単純平均より算出

●当社従来品RUF-V2400AWとの比較
●エコジョーズを設置の際には、ドレン配管工事が必要となります

”お得”は伝わるけど、枠の中の条件の意味が分からない…

この図解の条件を、簡単に解説します!

●温暖地に住んでて、4人家族相当
●ガス料金を(プロパンガスの場合)、510円/㎥とする。
上記より、4人家族でプロパンガス単価が510円/㎥契約の場合
「年間約18,000円 お財布に優しい」

エコジョーズのメリットとデメリット

①と②では、エコジョーズの概要説明でした。
ここでは、実際のメリットデメリットを両方解説。
トータルで、選択肢としてどうなのか、判断基準となります。
特にここでは、従来型給湯器との比較とします。

メリット

メリット1:省エネになり、ガス代が安くなる
それまでと同じ使用状況において、約15%程度のガス代削減!
当然、使用方法や使い勝手も今までと同じ。
メリット2:本体の大きさも、今まで通りコンパクト
ガス給湯器の良いポイントとして、本体がコンパクト。
従来型給湯器とエコジョーズでは、本体寸法がほとんど変わりません。
メリット3:排気温度が低く、安全面で優位
エコジョーズの排気温度は「約50℃前後」
従来型給湯器の約200℃と比較すると、安全面でも優位です。

デメリット

デメリット1:本体価格が高くなる
購入時の価格はエコジョーズの方が、高くなります。
メーカー希望小売価格で比較すると、約35,000円~40,000円程度の差額。
リンナイ製フロ給湯器の場合:
従来型給湯器 RUF-A2405SAW(B) 定価309,200円
エコジョーズ RUF-E2406SAW 定価345,000円
※販売価格は、必ずしもこの価格差ではありません。
デメリット2:ドレン排水の配管工事が必要
エコジョーズは、排気熱を利用する際に、水滴が出ます。
その水分を、ドレン水として排水処理する必要があります。
排水を「汚水」又は「雨水」に接続する配管工事が必要。
(汚水か雨水かは、各自治体により異なる)
余分な費用の発生と、設置場所の制限が出る場合も。
デメリット3:集合住宅の”取替え”には向いていない
集合住宅の取替えでは、ドレン排水の工事が出来ない場合も。
一部、集合取替え向け機種の設定も有るが、機器本体がより割高に。
デメリット4:排気吹き出し方向に気を付ける必要がある
排気温度が低い為、排気が上に上がりにくく、直進性がある。
排気方向に金属製のフェンス、サッシが有る場合は腐食の心配が。
デメリット5:約10年後に「中和器」の交換が必要となる
ドレン水を”酸性”から”中性”にする為の「中和器」が内蔵されている。
中和器は約10年が交換サイクルなので、10年後の部品交換費用が必要。
部品や工賃合わせて、約10,000円~30,000円程度必要。

デメリットも、意外と多いのねぇ…

メリットとデメリットを理解した上で、賢い選択をして欲しいです!

どんな状況なら、お得でメリットが有るのか?

省エネな機器とはいえ、全員にメリットが有るわけではありません。
どういった場合なら、エコジョーズを選択して、お得になるのか。

エコジョーズ割引設定がある

契約しているガス会社によっては、お得になる”ガス料金単価設定”が有る。
給湯設備を、エコジョーズにする事によって、ガスの単価自体を値引きする設定。

ガスの使用量が削減されて、更にガス自体を安くするの?
ガス屋さんにとって、メリット無いんじゃ?

ガス屋さんにとっては、”目先の利益”は少ないですね!

目先の利益が減っても、ガス屋さんにも目的が有るので設定しています。
目的①
業界全体で推進している、”エコジョーズ化”に賛同、普及をさせたい為。
家庭用分野の地球温暖化対策として「エコジョーズ化宣言」を実施。
これは、業界全体での大きな取組みとなっています。
最終的には、「設置可能な全てのガス給湯器をエコジョーズにする」というもの。
目的②
長期目線で、顧客の囲い込みをしたい為。
昔とは異なり、電気との競合も厳しくなってきている。
お得にガスを使用してもらう事により、消費者との長い付き合いを目指す為。

エコジョーズ販売価格が安い

機器本体の購入価格が安いかどうかも、重要な要素。
いくら省エネで、月々の料金が削減出来る場合でも、機器代も大切。
給湯設備は、目安として10年~15年が交換サイクル。
従来型給湯器、その他と比較して、自身にとって元が取れるかどうか。

使用量が一定以上多め

従来型給湯器よりも、約15%程度節約になる”エコジョーズ”。
ただし、元々の使用量が少なすぎる場合は、恩恵を受けにくい。
例1)多い場合
1か月ガス代が10,000円 ⇒15%削減で8,500円に。
削減効果1,500円/月。10年で18万円もお得に!
例2)少ない場合
1か月ガス代が2,000円 ⇒15%削減で1,700円に。
削減効果300円/月。10年で3.6万円のお得。
上記、極端な比較ですが、使用料が多い方が恩恵受けやすいですね!

まとめ

「エコジョーズ」オススメな人
・ちょうど、買替えのタイミングを迎えている。
・ガス料金に「エコジョーズ割引」制度や、機器代の特価設定が有る。
・お湯の使用量が有る程度、多い。

・CO2削減等、環境意識が高い。
「エコジョーズオススメでは無いパターン
・マンション等の集合住宅で、エコジョーズへの変更が困難。
・お湯の使用量が少ない。
経済的な、損得勘定だけを検討する場合、「10年で元が取れるか」の判断。
「エコジョーズの購入差額+約10年後の中和器交換代」VS「10年間のガス代の削減額」
判断が難しい場合は、契約のガス屋さんに相談を!
⇒納得できる説明してもらえたら、優秀なガス会社さんかも。
自身でも最低限の知識武装を。
お得に楽しく、毎月の光熱費削減に繋げましょう!

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